考古学者 甲野勇(こうのいさむ)は、戦後まもない昭和21(1946)年から昭和42(1967)年に亡くなるまでの、およそ20年間を国立に暮らし、多摩地域を研究フィールドとして活躍した考古学者です。
 くにたち郷土文化館では、甲野が生前に所有していた資料(以下「甲野勇資料」)を収蔵しています。甲野勇資料は、平成5(1993)年にご遺族から国立市へと預けられ、当館へ移管された後、平成9(1997)年に正式に寄贈されました。平成11(1999)年4月には国立市の登録有形文化財となっています。およそ8,500件に及ぶこれらの資料は、国立市の調査員や当館学芸員によって、整理作業及び調査研究が行われ、平成14(2002)年に甲野勇資料の一部を目録化した『甲野資料目録Ⅰ A.書籍・文献』が刊行されました。しかし、その後は予算と人手不足等の事情により作業が滞り、現在もなお整理作業が行われている状況です。
 本稿では、目下整理中の甲野勇資料のうち、甲野が国立に越してきた頃から、その生涯をかけて取り組んだ博物館活動に関する資料を紹介したいと思います。

※本文中【資料9】の画像に誤りがあったため、2020年12月7日に内容を修正・更新しています。

国立の自宅の庭でくつろぐ甲野[写真] 昭和30年代(甲野勇資料)
家形埴輪の復元住居[写真]
 昭和23~29(1948~1954)年頃(甲野勇資料)
三笠宮崇仁親王に展示解説をする甲野[写真]
 昭和31(1956)年3月1日(甲野勇資料)

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