郷土文化館の事業に、お月見団子つくりがあります。お月見は、旧暦の8月15日に月を鑑賞する行事で、この日の月は「中秋の名月」、「十五夜」、「芋名月」と呼ばれます。そしてお月見に欠かせないのがお団子。このお団子も日本各地で様々な呼び名がありますが、お供えする個数は、その土地土地によって違いがあるようです。ススキも全国でお供えされています。供えたススキを家の軒に吊るしておくと一年間病気をしないとも言われています。
また、この季節になると、野口雨情の詞に、本居長世が曲をつけた『十五夜お月さん』という切ない童謡も思い出されます。
最初に「中秋」と書きましたが、もしかすると「仲秋」かと思い、大漢和辞典で調べてみました。諸橋轍次先生によれば、「中秋」は『秋のまんなか。陰暦八月十五日。「仲秋」は秋三箇月の中の月。即ち陰暦八月。中商。なかのあき。八月十五日を指す中秋は、これとは別の語。』とありましたので、この書き方で間違いないようです。
 こういった年中行事を受け継いで行くのも、郷土文化館の大切な役割です。