区画整理事業が進んで、古民家を取り巻く風景も様変わりしてきました。変わらないのは囲炉裏のほのめく火でしょうか。
「いろり」は、日本の民家の暖房、炊事、採光を兼ねた炉で、「ひじろ」「いじろ」「じかろ(地火炉)」などともいわれています。実際には「いろり」という地方はまれで、語の意味も明らかでありません。いろりの周囲の座席には一定の決まりがあり、厳しく守られていました。
古民家に見えるお客さまが驚かれるのは、余程のことがないかぎり、毎日囲炉裏の火をおこし続けていることです。この現役の囲炉裏を楽しみに見える方も少なくありません。萱屋根の防虫、防蝕の意味もありますが、憩いの空間として、語り合いの場としても、大いに役立っています。
みな様もこれからの季節、古民家の囲炉裏端でゆったりとした時間を楽しんでみませんか。

百年の煤も掃かずに囲炉裏かな 虚子