国立市広報担当より当館へ移管された写真資料のうち、市制施行を祝った「市中パレード」の写真からご紹介します[1]当館所蔵写真に表示のある「ファイル№」とは、営利を目的としない写真の利用に供するため、くにたち郷土文化館に保存されている電子データーのファイル番号を表示したものです。

 市制施行祝賀の市中パレードは、1967(昭和42)年1月23日午後1時から、市内を2つのコースに分かれて、1時間30分にわたって行進がおこなわれました。
この写真は、矢川駅東側の踏切(矢川踏切)へと向かっているパレード車の1台。荷台には特大の羊の像が“乗車”、後方にニラミを効かせているかのようであります。側面の「(た)くましき大羊なり 祝国立市制」とのプレートからして、市制施行による国立市の大いなる発展を祈った大羊像であったものかと。

 朝日新聞の記事(昭和42年1月24日付「市制を祝ってパレード 国立の商工会」)に拠れば、この大羊は「原毛でつくった」リアル羊毛製であったとのこと。羊の毛がやたらとナマナマしく感じるのはそのためだったかとひとり納得。
しかも、羊の目をみると両目が光っている!モノクロ写真で見ているから余計に感じるというのもあるのでしょうが、ちょっと“怖い”…。

 なぜ、市制施行祝賀の市中パレードに大羊の像なのか?としばし頭を捻っていましたが、突然のヒラメキで解決!実は市制施行のこの年(1967・昭和42年)、“未年”でありました。おそらく干支にちなんだ出し物だったのでしょう。

 さらに、この写真にはまだまだ疑問が。
車後部の「羊の重さを当てゝ下さい?」のプレートと大羊のわき腹にある貼紙から、この大羊の重さを当てた投票者10名には粗品が進呈されることになっていたようです。
ところで、その投票のための「羊の重さ投票箱」。設置されているのは、何とパレード車の後部!
 これ、どうやって投票したのでしょうか?走行しているパレード車を追っかけていって、投票箱に「エイッ!」とばかりに投げ入れたのでしょうか?
そもそも投票用紙はどうやって入手していたのでしょう?
別に配ってあったのでしょうか?

 当時を知らず、現在から写真を眺めているだけでは、謎は深まっていくばかり…。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひとも郷土文化館まで情報をお寄せ下さい。
よろしくお願いいたします。

以下では、市中パレードの写真をご紹介しています。

【中村記】

※脚 注

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