ヴァイオリンのことからパーソナルなことまで
石上真由子さんに様々なお話を聞きました。
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ヴァイオリンは すごくかっこいい楽器

わたしは小さいときからずっとお医者さんになろうと思っていました。一方ヴァイオリンは、将来学校の部活などで楽器を弾けたら楽しそうという母の考えもあって始めたお稽古事だったのですが、さまざまな出会いがあり、気付けば音楽・ヴァイオリンが自分の人生の中で占める割合が大きくなっていました。大学卒業間近になり、真剣に自分の人生について考えた時に、今自分からヴァイオリンをとったら精神的に死んでしまうのではないかと思い、音楽と医学の両輪ではなく音楽に専念する決断をしました。

5年ほど前から始めたアウトリーチ活動は「ヴァイオリンとは自分にとって何であるのか」「どうしてヴァイオリンを続けたいと思っているんだろう」と、音楽家としての自分の原点に立ち返るチャンスになりました。その中で見つかった答えが『ヴァイオリンはすごくかっこいい楽器なのだ』ということでした。初めて出会った時から、私を魅了してきたこの楽器は「かっこいい」存在で、それはずっと変わることがありませんでした。

自分の人生を切り開いてくれるパートナー

アウトリーチでは、まず、この自分の「ヴァイオリンはかっこいい!」が伝わったら嬉しいなと思っています。と同時に、ヴァイオリンは、誰かと一緒に弾くという楽しみを教えてくれた楽器で、アンサンブルの愉しさも伝えていけたらいいな、という思いが最近芽生えてきました。楽器がもたらしてくれた出会いが沢山あり、海外に連れていってくれたりもして、ヴァイオリンは自分の人生を切り開いてくれたパートナーだと今では思っています。
もちろんヴァイオリンだけでもかっこいいけれど、誰かと一緒にも演奏できる、誰かと一緒に音楽をつくっていく、その楽しさも伝えたいと思います。

ヴァイオリンを始めたきっかは実は

エレクトーンを3歳くらいからやっていたのですが、指先が小器用だったこともあり、あまり練習しなくても弾けるということがわかって、練習しなくなってしまいました。練習しない癖がついて、やがてクラスに追いつかなくなり、エレクトーンが嫌になってきたところで、母から手渡されたのがヴァイオリンでした。「エレクトーンから逃げられるなら何でもいい」と掴んだのがヴァイオリンでした。エレクトーンでついたサボり癖はそう簡単には治らず、ヴァイオリンを始めたての頃も、あまり真面目に練習した記憶はありません。(笑)

ローマの休日に憧れて

小学生の頃、熱を出して学校を休むときは『ローマの休日』を見るのがお決まりで、大好きな映画でした。小学校3年生の時に、オーディションに通ればローマに招待してもらえるというプロジェクトがあり、ローマ行きたさに、初めて真面目にヴァイオリンを練習しました。おかげでローマにも行けたのですが、その後もこういったエサに釣られて・・・という不純な動機での踏ん張りが積み重なって、色々な機会に恵まれました。
必死で練習しているときは、もしかすると「しんどいなあ」と思う瞬間もあったかもしれないのですが、普段からお気楽な性格ということもあって、今思い返すと「努力したなあ」という感覚はほとんどなく、「楽しかった」という思い出ばかりが残っています。
「嫌」を「好き」に変えるのが得意なのかもしれません。

キュンとしたら、とりあえず来てみて

音楽大学ではなく医科大学に通っていたので、周りにはクラシックのコンサートに行き慣れていない人が多かったのですが、私が楽しそうに仕事をしているのをみて興味を持ってくれる友人も多かったです。同級生をコンサートに誘うと「行ったことないしなー」とか「服装どうしたらいいの?」とか、不安を口にする人も少なくはなかったのですが、まあとりあえず来てみなよという私の口車に乗せられて公演に足を運んでくれた友人たちは「何で今まで行かへんかったんやろう」「めちゃめちゃかっこいいやん」と感激してくれて、その後も度々聴きにきてくれました。慣れないことだったりすると最初は少し勇気がいるかもしれないのですが、ちょっと友人とランチに行くくらいの気分でお出掛けしてもらって、私たちのステージでの真剣勝負を聴き、コンサートを体験していただけたら、心の中に何かしら生まれるものがあるのではないかと信じています。


今は、SNSで簡単に誰かにアプローチすることができて、SNSを通して色々なことを知ることができる時代になっていますから、昔よりも演奏家の存在は身近なものであるように思います。どんなものに興味があって、どんな食べ物が好きで、どんなことを考えているのか…そういうことも簡単にわかってしまいますよね。
自分は、プロフィール写真の目力が強かったり、演奏中の顔が厳しかったり、そこに医大卒というバックグラウンドも相まって、恐そう という先入観を持たれることが多いのですが、普段は意外とホワホワしているらしいので(笑)、そういうところも知っていただくと、違う面白さも見えてくるかもしれません。
コンサートに足を運ぶ前に、SNS等で演奏家の日常生活をのぞいてみると、コンサートの楽しみがまた増えるかも。
もちろん当日の演奏を一番楽しんでいただきたいですが、入り口は人それぞれ。物事の楽しみ方にはたくさんの可能性がありますから、コンサートを通じて、各々のとっておきの時間の過ごし方を見つけていただけたら、私はとても嬉しいです。

石上真由子 江崎萌子 M&M Violin×Piano DUO
公共ホール音楽活性化支援事業(おんかつ支援)の一環です。
おんかつとは・・・
普段クラシック音楽に触れる機械の少ない人に興味を持ってもらうための交流プログラム《アクティビティ》と本格的で
親しみやすい、かつオリジナリティ溢れるプログラムの《コンサート》を行う事業です。
国立では令和2年度より、市内の小学校・旧駅舎・城山さとのいえなどでアクティビティを行い
本コンサートと共にこどもたちや地域のみなさまに本物と身近に触れ合う機会を創ります。
クラシック音楽初心者にも、音楽愛好家にも、音楽との幸せな出会いを届けます♪
今年は矢川プラスでミニコンサートをやります!