お昼休みに郷土文化館の庭園に出てみると、いくらかのコスモスが碧空に映えていました。高浜虚子のうたを思い出します。

  コスモスの花あそびをる虚空かな

コスモスは、秋の季語として、多く詠み込まれていますが、明治20年頃に渡来した外来種ですから、うたわれた時代もそれ以後のものです。比較的土地を選ばない生育しやすい植物のため、あちこちで観光資源として生かされているケースが多いようです。別名の「秋桜」は、さだまさしさんの、母親への思いを綴った名曲でも知られていますね。
平成22年に亡くなられた兵庫の歌人、山田弘子さんのうたもまた、母親への愛をしみじみと詠ったものとして、この季節に脳裏を過ります。

  揺椅子に母のまぼろし秋桜

 コスモスを愛でながら、郷土文化館の庭園で空を見上げてみませんか。