【資料紹介】国立駅前円形公園:水禽舎 追加情報:印刷はこちらから(PDF)

はじめに

 国立駅は 2026(令和8)年4月1日に開業100周年を迎えます。
 国立駅の南口には大きな駅前空間が存在していますが、この空間は国立駅開業当時に駅と一体的に整備されたもので、駅前広場としては珍しい例とされています。また、規模の大きな駅前広場を有する駅として先駆的な事例であり、他駅のモデルとなった可能性が高いとも指摘されています[1]『国立駅周辺プラン報告書』(国立市建設部、2000 年)7・8 頁。 。この駅前広場も国立駅と同じく、間もなく開設100周年を迎えることになります。

旧国立駅舎の屋根の位置からみた駅前広場
2019(令和元)年9月撮影


 駅前広場の中央には「円形公園」と呼ばれる直径約29mの緑地帯が存在しています。この緑地帯の中心部には防火用水槽を兼ねた幅約10mの八角形の池があります。この池は、駅開業後間もない頃に水鳥たちを飼育・展示していた水禽舎の痕跡でもあります。
 この水禽舎については、2017(平成29)年11月1日より、当館HP で「国立駅前円形公園:水禽舎」と題した資料紹介を掲載・公開しています[2]当館 HP:机上のメモから 資料紹介「国立駅前円形公園:水禽舎」 https://kuzaidan.or.jp/province/curator-info/20171101-1/。さらに、2023年に当館で発刊した小冊子『円形公園はじまり物語』では、この紹介文を一部改訂したコラムを掲載しました[3]『円形公園はじまり物語』(くにたち郷土文化館、2023年)22~32 頁。なお、この小冊子は、2021(令和 3)年10月に旧国立駅舎広間で開催したパネル展示の内容を基にして構成したものです。
 駅前広場にあった水禽舎の設置については、国立駅開業当時を撮影した貴重な写真資料等の比較・検討から、駅開業直後の1926(大正15)年5月前後に設置された可能性のあることを指摘しています[4]前掲註3の小冊子16頁。
 しかし、水禽舎が撤去された時期については参考となる資料が乏しく、詳らかなことは分かっていませんでした[5]前掲註3の小冊子のコラムで、「少なくとも昭和10年代半ばまでは水禽舎として利用されていたと考えています」(30頁)と述べるにとどまっています。
 最近の調査で、東京商科大学(現 一橋大学)の卒業アルバム[6]卒業アルバムの調査では、一橋大学の学園史資料室が所蔵するアルバムを 2023(令和 5)年秋に調査させて頂きました。同室所蔵の卒業アルバムをまとめて調査できたことが、今回の報告につながっています。同室の羽毛田様をはじめ、資料室の皆さんには面倒なお願いにご対応いただきましたこと、改めて感謝申し上げます。や太平洋戦争中に(したた)められた日記の記述に、水禽舎が駅前広場から姿を消した時期を検討するのに新たな手掛かりがみつかりました。
 今回、先の資料紹介や小冊子掲載コラムの追加情報として、それらの資料を紹介します。

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※脚 注

※脚 注
↑本文へ1 『国立駅周辺プラン報告書』(国立市建設部、2000 年)7・8 頁。
↑本文へ2 当館 HP:机上のメモから 資料紹介「国立駅前円形公園:水禽舎」 https://kuzaidan.or.jp/province/curator-info/20171101-1/
↑本文へ3 『円形公園はじまり物語』(くにたち郷土文化館、2023年)22~32 頁。なお、この小冊子は、2021(令和 3)年10月に旧国立駅舎広間で開催したパネル展示の内容を基にして構成したものです。
↑本文へ4 前掲註3の小冊子16頁。
↑本文へ5 前掲註3の小冊子のコラムで、「少なくとも昭和10年代半ばまでは水禽舎として利用されていたと考えています」(30頁)と述べるにとどまっています。
↑本文へ6 卒業アルバムの調査では、一橋大学の学園史資料室が所蔵するアルバムを 2023(令和 5)年秋に調査させて頂きました。同室所蔵の卒業アルバムをまとめて調査できたことが、今回の報告につながっています。同室の羽毛田様をはじめ、資料室の皆さんには面倒なお願いにご対応いただきましたこと、改めて感謝申し上げます。