資料1 国立の大学町鳥瞰図 大正14(1925)年頃 くにたち郷土文化館所蔵

 資料1は、国立大学町を開発した箱根土地株式会社(以下「箱根土地」とします。)が配布した国立の分譲地販売の案内です。
 この案内には「商大に縁故ある校友学生及其の関係者の方々」に限定して特別待遇の地価の割引をすると謳われていますので、東京商科大学(現 一橋大学)の関係者へ送付するために作成されたものとみられます。また、同大学の大学新聞『一橋新聞』第27号(大正14・1925年11月15日)に、資料1の鳥瞰図とほぼ同じ構図になる素描(資料2)が掲載されていることから、鳥瞰図はこの時期ぐらいに描かれていたであろうと考えられます。鳥瞰図裏面の宣伝文に「秋色酣なる此地に御散策旁是非御視察を願ひます。」とあることをも鑑れば、大正14年10月前後に作成された案内ではないでしょうか。

資料2 本学を中心とする大学都市の想像鳥瞰図
『一橋新聞』第27号(大正14・1925年11月15日)3面
一橋大学附属図書館所蔵

 なお、資料1にある鳥瞰図と同じ構図になる水彩画(資料3)と、鳥瞰図と同じ街並みを眺めている女性を描いた油絵(資料4)が、箱根土地で国立大学町の設計に携わった中島陟氏が遺された資料中に現存しています。資料3をよくみると、資料1の鳥瞰図ではみられない、国立駅北側部分に住宅地らしき描写があり、彩色が鳥瞰図とは幾分異なる部分がみられます。ただし、資料3に描かれた施設や街並みは資料1の鳥瞰図と一致していることから、資料3に基づいて資料1の鳥瞰図が作成されたのではないかと考えられます。

資料3 国立大学町鳥瞰図 大正14(1925)年 明窓浄机館所蔵(中島陟資料)

資料4 国立大学町を眺める女性像 大正14(1925)年
明窓浄机館所蔵(中島陟資料)

続きはこちらから(PDF)